2008-02-29

ビクトリア500日目:お買い物。



 今日はお休みでした。 いつもより長めに寝るつもりが、休みということで心が躍って早く目が覚めてしまいました。 小学生の頃のようです(笑)。

 今日は忙しい一日でした。 まず、午前中に車のエンジンオイルを替えに行ってきました。 自分でやってもよかったのですが、もうすぐ引っ越しするし、自分でやっている時間がなかったのでビクトリアにあるオイル交換専門店のようなところでやってもらいました。 僕の車はもう古いし、比較的頻繁にオイル交換をするようにしているので一般的なグレードのオイルでいいといっているのに、「いや、古い車にはこのオイルがいいですよ」とか、「こっちにしておいたほうがお得」となんども勧めてきました。 YESマンの僕も今日は強気に「No thanks」とはっきり言えました(笑)。 こういうオイル交換店ではオイル交換の際にサービスで車のシステムをいろいろチェックしてくれます。 今日担当してくれたメカニックは、「オルティネーターベルトがだいぶ痛んでいるから替えた方がいい」と言ってきました。 「おいおい、そのベルトは新品に交換してまだ数ヶ月しか経っていませんよ」、と言ってやろうかと思いましたが、「あ、そうですか」とだけ答えておきました。 こういうお店は超テキトウなことを言ってなるべくいろんなことをやって工賃を稼ごうとするので注意が必要です。 

 オイル交換が終わってから、ビクトリアから西に少し行ったところにあるLangfordという市にあるショッピングエリアに行ってきました。 まずは電気屋でスピーカーを物色。 僕は昔からオーディオ関係に少しだけ興味があります。 日本で働いていたときは初任給でB&Wというイギリス製のスピーカーを買いました。 今回はBoseのコンピューター用のスピーカーを買おうかと思ったのですが、売り切れでした。 ちょうどセールで50ドル引きになっていたからあっという間に売り切れてしまったようです。 また今度狙おうと思います。

 その後、電気屋の横の寝具店にいって枕を2つ買いました。 なぜかこちらでは枕はたいてい2個です。 理由はわかりませんが、2個です(笑)。 ベッドの上でコンピューターを使う時なんかには2個あると背もたれにできて便利です(これを書いている今まさに枕を2個使っています・・・笑)。 

 今日のお昼御飯はA&Wというファーストフード店に立ち寄りました。 このお店はルートビアで有名です。 ルートビアは名前に「ビア(ビール)」が入っていますがアルコールは含んでいません。 薬臭い感じの飲み物で、僕はあんまり好きではないのですが、今日、A&Wの側を通ったら「期間限定!サーロインバーガー」と書いてあって、それを見たら無性に食べたくなって立ち寄りました(今日の写真)。 A&Wとくればルートビア。 ということでルートビアを注文しました。 かなり久しぶりに飲みましたが、あら不思議。 とてもおいしかったです。 A&Wのルートビアだからかもしれませんが、楽しめました。

 食事の後も買い物は続きます。 今度はSuperstoreというスーパーとホームセンターが合併したみたいなお店へ。 そこでは洗濯物を入れておくかごを買いました。 10ドル也。

 その後はウォルマートへ。 ウォルマートはアメリカ資本の大型ディスカウントホームセンターです。 なんでも安く売っています。 安いのはいいですが、カスタマーサービスは手抜きだし、陳列は雑だし、値札なんかもめちゃくちゃです(よく床に商品が散らばっています)。 でも安いので許します。 今日はそこで布団、お風呂マット、フロアランプ、スクリュードライバーセット、ゴミ箱、などなどを購入しました。 始めてウォルマートで100ドルも使ってしまいました。

 家に戻ってきたら今度は部屋の片付けと掃除でした。 要らないものを捨て、掃除をし、部屋を元の状態に戻しました。 僕の家は大家の趣味でいろんな小物がいたるところにあります。 僕の部屋には僕が越してきたときには壁に鳥の小物が掛けてあったり、どこぞのアマチュア画家が描いたのかわからないような変な絵が掛けてあったりしました。 僕はそれらをすべて取っ払ってベッドの下に封印していましたが、引っ越すに辺りそれらを元にあった場所に戻しました。 今はとてもメルヘンな部屋に戻りました(笑)。

 明日は午前中に新居に立寄り、今日買ったものをとりあえずすべておろしてこようと思います。 日中はフライトが2本あり、2本目が終わったらビクトリアに行ってベッドをピックアップしてきます。 UsedVictoria.comでスウェーデンの家具メーカー、IKEAのベッドの新中品を売りに出していた人がいたので、その人からそのツインベッドを買うことにしました。 これでわざわざバンクーバーのIKEAに行く必要がなくなりました。 フェリー代が浮いたのでそれでBoseのスピーカーを買おうかなんて・・・。 贅沢は敵です(笑)。 

 今日はビクトリアに来てちょうど500日目です。 時間が経つのは早いものです。 英語では「Time flies(時間が飛ぶ、光陰矢の如し)」と言いますね。

 ではまた明日。


(つづく)
 

2008-02-28

ビクトリア499日目:ショッピングの下調べ。



 今日は午前中にフライトを1本だけやりました。 昨日も飛んだインド人の生徒です。 今日はclimbing, descending, turnsに取り組みました。 今日もビクトリア上空でのフライトになりました。 雲が少し低いところにありましたが、訓練には支障ありませんでした。 僕が担当しているPPLをゼロからスタートした生徒は彼で二人目です。 なんとかスムーズに訓練が進んで行ってほしいものです。

 フライトの後、クラブのメカニックが使うエアーコンプレッサーを借りて車のタイヤに空気をいれていたところ、バルブのピンが中に入ったままで戻らなくなり、空気が漏れてしまいました。 仕方ないので近くのガソリンスタンドまでいき、バルブを交換してもらいました。 パーツ費と工賃で20ドルかかりました。 触らぬ神に祟りなしとはまさにこのことですね・・・。 余計なことするんじゃなかったとちょっと後悔しました。 まあ、ちゃんとなおったからいいこととします。

 その後、ビクトリアに行き、いろんなお店やショッピングモールを散策しました。 引っ越しにさしあたり必要なもののだいたいの値段や、どの店にどんなものが置いてあるのかを調べたかったからです。 今日でだいたいの目安がついたので、明日には必要なものをちょこちょこと買い始める予定です。 

 それにしてもこちらの寝具関係の言葉は分かりにくいです。 コンフォーター(comforter)やら、デュベイ(duvet)やら、ベッドスプレッドやら、聞き慣れない言葉が多いです。 ちなみにコンフォーターもデュベイもどちらも掛け布団のことを指すようです。 こちらでは掛け布団と敷き布団の間にシーツを1枚入れるのが通常らしいです(日本でもホテルに泊まるとこういうふうにベッドメーキングがされていることが多いと思います)。 その仕組みも未だに理解できない・・・。 テキトウでいいやんとも思うのですが。 果たしてどんな寝具を買う必要があるのか。 そうそう、こちらではfuton(ふとん)ということばをよく見ますが、日本での「布団」とは違う意味で使われます。 なんでもスウェーデンの家具メーカーIKEAがソファーベッドのようなものをfutonという名称で販売し始めたのがそのままソファーベッドの代名詞のようになったんだとか。 お店でFutonということばを見ても日本風の布団が置いてあることはありません。 不思議なもんです。

 今夜はPPLのAir Lawを教えました。 前回よりも人が少なかったので楽でした。 いくつか面白い質問が出ました。 なかには僕が答えられないような質問もありました。 そういうときには素直に「分からない」と言います。 そこで嘘をつくと教官と生徒の信頼関係は一気に崩壊します。 分からないことは後でしらべて回答する--これが正しいやり方だそうです。 

 明日はようやくお休みですが、車のエンジンオイルを替えないといけないし、買い物にもいかないといけないし、引っ越しの準備もしなければいけないのでなにかと急がしくなると思います。

 今日の写真は帰国していた際に親戚と一緒に行った越前海岸付近の料亭で食べた越前ガニです。 写真をブラウズしていたら目に入って、これを見ただけであのときのおいしさの記憶がよみがえってきました。 おいしかったなぁ〜〜。 おんちゃん、おばちゃん、ごちそうさまでした。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-27

ビクトリア498日目:いつのまにか300。




 今日から少しずつ天気は下り坂のようです。 今朝は霧雨の影響で雲が低いところにありましたが、今朝のフライトがあった10時頃までには天気は回復しました。

 今朝の1本目はインド人の新しい生徒でした。 インド人と飛ぶのは数人目ですが、今回の生徒はなんとも不思議な雰囲気の若者です。 ちょっと怪しかったですがちゃんと勉強もしてきたようですし、話も真面目に聞いていたのでとりあえずは良いスタートを切れたと思います。 今日はビクトリア上空でフライトの基本となるattitudes (飛行姿勢)とmovements(飛行機の動き)の練習をしました。 

 2本目は午後2時からアシスタントチーフの生徒と飛ぶ予定だったのですが、2時半になっても現れなかったので電話をしたら、「そんな予約はしていないと思う」ということでした。 どうやらちょっとした誤解があったようだったのでフライトをキャンセルしました。 予約を入れているのにフライトに現れない場合にはNo Showということで教官料金をチャージすることがあります。 今日は状況が状況だったためそういういったペナルティーを課すことはしませんでした。

 3本目はナイトレーティングをやっている生徒と長いフライトにいってきました。 今日はGPSを使ったナビゲーションを主にやりました。 また、ビクトリアからすぐのダンカン空港に行って夜間着陸をやりました。 この空港を夜間に利用するには空港周辺に詳しい人でないと危険を伴います。 アプローチに比較的高い木々があったり、標高が高い土地があったりするので注意が必要です。 この空港に夜間に着陸するのは初めてでしたが、無事に着陸できました。 いつもは7000ftの滑走路(ビクトリアの滑走路09-27)での着陸ばかりですので、時には短い滑走路(ダンカンは約1500ft)に着陸するのも良い練習になります。

 今日の仕事の後でログブックにフライトを追加していたら、いつのまにか飛行時間が300時間を超えていました。 CPLを取ったときでちょうど200時間あって、教官証明を取ったときでたしか240時間ほどありました。 約1ヶ月で飛行時間を60時間稼いだことになります。 この調子で行けば1年間で結構な飛行時間になりそうです。 

 今日の写真はPilot Training Record(PTR)のフライト内容を記録するページです。 各エクササイズごとに番号が振り当てられています。 ここにデュアルであればD、ソロであればSなどと記録していきます。

 明日はフライトが1本だけあり、夜はまたグランドスクールを教えます。 ここ最近はかなり飛ばし気味で頑張ってきたのでちょっとした息抜きになりそうです。 引っ越しの準備もしないといけないので時間があるのは助かります。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-26

ビクトリア497日目:喜び。



 今日も引き続き良いお天気でした。 今日はフライトを4本やって、夜にはグランドスクールで航空法を教えました。

 今日は午前中にPPLをやっている生徒とサーキットを飛びました。 今までずっとローカルウエストエリアでアッパーエアワークを中心に飛行機の操縦技術を教えてきましたが、今日から空港の周りを飛んで離着陸を繰り返す訓練を始めました。 今日その生徒が一人で飛行機を着陸させることに成功しました。 僕はずっと指示を出し続け、必要なところでは操縦桿に手を添えたり、コントロールを手伝ったりしましたが、今日の2回目のフライトでは彼一人の力で着陸させることができるようになりました。 この生徒が僕が教官として一から教え始めた生徒なので、その生徒が一人で離着陸できるようになったというのはとてもうれしいことです。 最初はなんにもできなかった一人の生徒が完璧とはいかないものの、一人でだいたい操縦できるまでになったということはすごいことだと思います。 これからますます技術を向上させていきたいと思います。

 今夜のグランドスクール前回同様大盛況で、20人ほど生徒がいたと思います。 前回教えた時はスライドをウェブに公開したのですが、特に必要性を感じなかったので今回はそれをしないでおこうと思いました。 そうしたら、今夜のグランドスクールの後で「スライドをメールで送ってほしい」とか、「スライドのコピーが欲しい」というリクエストが多数ありました。 そのため急遽水曜日までにウェブに公開することにしました。 意外な反応だったので正直驚きました。 たいしたことは書いていないはずなんですけどね(笑)。

 明日は久しぶりに10時から仕事です。 なので今夜は久しぶりにゆっくりしようと思います。

 今日の写真は先日のPatricia Bayの夕焼けの様子です。 信じてもらえないかもしれませんが、この写真はなにも編集していません。 素材がいいので腕やカメラがたいしたことなくてもきれいに写ります。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-25

ビクトリア496日目:炊飯器。



 今日も快晴で4本飛ぶことができました。 昨日の疲れがちょっとあったものの、楽しく飛べました。 

 今日は仕事の後に昨日見に行ったベースメントスイートの大家さんのところにいって保証金を支払ってきました。 3月1日に引っ越します。 本当はもうちょっと後に越したかったのですが、今いる家の大家の意向も汲み取ってなるべく早く出ることにしました。 

 今夜、e-mapleというサイトで知り合ったビクトリアにお住まいの方から炊飯器を譲ってもらいました。 こちらに来てすぐに5ドルでこちら製の炊飯器を手に入れたのが記憶に新しい(?)ですが、日本の米をおいしく炊くには日本の炊飯器が必要だ!と思い立って10ドルで日本製の小さな炊飯器を譲ってもらいました。 早速炊いてみたところ、やっぱり炊きあがりが全然違いました。   今回炊飯器を譲ってくれた日本人のご夫婦は4月に日本に帰国されるということで、毛布やら、食器やら、コップやらをいろいろとただでくれました。 ありがたい話です。 向こうにとっては不要なものを処分できるので都合が良いみたいですし、僕にとってももちろん好都合です。 これでベッド以外は必要なものは殆ど揃うように思います。 そのご夫婦にまた後日いろんなものを譲っていただくことになりました。 とても親切なご夫婦でした。

 明日はフライトを4本やって、夜はグランドスクールを教えます。 久しぶりのPPLグランドスクールです。 頑張ろうと思います。

 今日の写真はこの前見かけた車です。 日本にも同じようなステッカー類を貼っている車がたまにいますよね。 だからどうした?といってやりたいところです・・・(笑)。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-24

ビクトリア495日目:新記録。



 今日は朝8時から夜8時まで飛びっぱなしで6本のフライトをこなしました。 自分を褒めてあげたいです・・・(笑)。

 さすがに疲れたので今日は短く書きます。 

 今日も朝のうちは雲が低く、一時雲を避けながら飛ばないといけないようなこともありましたが、お昼以降はすっきりと晴れてくれました。

 今日もディスカバリーフライトが1本ありました。 バイク大好きの若者で、今はエジプトの油田で働いているそうです。 20日ぶっ通しで働いて20日休みというペースだそうです。 その20日の休みを利用してパイロット免許を取りたいんだそうです。 感じのよい子でこれからが楽しみです。

 今日、ナイトフライトから帰ってきたらディスパッチシートにバンクーバーで教官をしている先輩パイロットのAviatorさんからのメッセージが挟まれていました。 「メアリーズにいるから」と書かれていました。 メアリーズブルームーンカフェというカフェが空港の側にあるのですが、そこに生徒さんと来られていて、御飯を食べられていました。 所用があったので20分ほどだけお話をして帰りました。 久しぶりにお会いできてよかったです。

 今夜、仕事の後にバチェラースイートを見に行ってきました。 日本的に言えばワンルームマンションのようなものです。 一軒家の地下室にある部屋で、フルキッチンがあり、バスタブがあるお風呂があり、きれいな感じの部屋でした。 今住んでいる家から4区画ほどだけ離れたところで、シドニー内の物件です。 今の部屋よりも1ヶ月あたり150ドル高いですが、それでも悪くはないかなと思っています。 ずばぬけて広くはないですが、それでも誰かを呼んだり、部屋の中で自転車を固定ローラーに乗っけて運動したりできそうです・・・。 明日電話をして最終的に決めます。 

 今日の写真はトランスポートカナダからクラブに届いた書類についていたクリップです。 どこに売っているんだろう・・・。 飛行機好きの心をくすぐるアイテムです(笑)。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-23

ビクトリア494日目:プラスマイナス0。



 今日も引き続きよいお天気でした。 今日は予定では3本のフライトをこなす予定でしたが、お昼御飯の間の2時間の空きスロットにフライトを入れられてしまい、結局昼飯抜きで4本フライトを続けてやりました。 さすがに疲れました。

 昨日からクラブにまたインド人が新しく入ってきました。 今回は8名ほど来るという話ですが、まずは3人がカナダにやってきました。 そのうちの一人と今朝、ディスカバリーフライトをやってきました。 こんなことをいうと失礼かもしれませんが、インド人の名前はあまりなじみがないので覚えにくいです。 今日から一緒に飛ぶことになった生徒の名前も例外ではなく、「名前なに?」って聞いても1回では聞き取れません。 スペルアウトしてもらってなんとか分かる程度です。 幸い、彼の名前のニックネームは自転車のサスペンションを作っているRockshoxというメーカーのフロントフォークの最高峰モデルと同じ名前だったので簡単に覚えることができました(笑)。 今日はビクトリア上空をいつもよりも長めに飛びました。 来週の火曜日から訓練を開始する予定です。

 担当するインド人生徒がまた増えたと思っていたら、今まで教えていた生徒はこれからは他の教官と飛ぶことになりました。 ということで、一人去って一人追加ということになりました。 結局プラマイ0です(笑)。

 2本目はクラブメンバーのアニュアルチェックでした。 アラスカやカリフォルニアにまで飛んで行ったことがあるという結構な経験を積んでいるパイロットです。 本人も「しばらく飛んでないから多分酷いよ〜」といっていましたが、確かにあまり上手ではありませんでした(笑)。 それでも何回かやればちゃんとPPLのフライトテストのスタンダードまでは行けるのですが、それでもいくつか深刻なミスを犯していました。 もう一度教官とデュアルで飛んで弱点を見直しするように提案しました。

 3本目はこれまた最近訓練を始めた生徒です。 今日は上昇と下降の練習をやりました。 上手にできていたと思います。

 4本目はナイトレーティングの生徒。 見た目は結構強面系なんですが、昼間はおもちゃ屋さんで働いているという面白い若者です。 今日も計器飛行をひたすらやりました。

 今日、クラブに僕の教官証明のフライトテストをやってくれたトランスポートカナダの試験官が来ていました。 「あ〜、僕のこと覚えてますか?」と言ったら、「忘れたよ!」と冗談をかまされました。 相変わらず怪しい感じのユーモアのおじさんでしたが、元気そうで何よりでした。 フライトテストで僕がどれだけ酷かったかという話題で談笑しました(笑)。

 今日のチェックライドでもそうですが、最近どれだけ生徒の間違いを許すべきかでちょっと悩んでいます。 飛行機の操縦は命に関わるので深刻なミスは正すべきだと思いますし、実際にそうしています。 でも、空を飛ぶことは楽しくあるべきでもあるとは思います。 ただ、危険で楽しいなんていうくらいならそんなことはリスクをおかしてまでやるべきではないとも思います。 「安全で楽しい」。 それが当然ベストです。 そこにたどり着くまでの訓練でどれだけ生徒の間違いを許すべきか。 人に嫌われたくなければどんな間違いをしても目をつぶればいいと思います。 実際にそういう感じの教官もいるようです。 でも僕はそうはしたくないし、そうはできない性格です。 これからもうちょっと生徒へのアプローチを考えていかなければいけないなと思っています。 フライトインストラクターという仕事は飛行機の操縦を教える前に、全くの他人と1対1で向き合ってする仕事です。 なかなか一筋縄ではいきません。 でも楽しいので頑張れると思います。

 明日は天気が良ければ1日6本飛ぶ予定です。 昼飯休憩すらありません。 倒れないか心配です(笑)。

 今日の写真は僕の名刺です。 昨日もらいました。 これで少しは一人前に見えるようになったかな?と思います。 なお、この名刺に書いてある住所は電話番号、メールアドレスはすべてクラブの総合のものです。 ここに連絡をもらっても僕には直接届きませんのでご注意ください。 個人の連絡先はこのブログの右のリンクからメインサイトの「お問い合わせ」へお進みください。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-22

ビクトリア493日目:間違い。



 今日はいつもより遅めの出勤でした。 今朝は霧と霧雨の影響で飛べないコンディションでしたが、お昼前にはきれいに晴れてくれました。 今日は生徒がTシャツで訓練に来るほど暖かくなりました。 正直なところ、Tシャツはやりすぎやろ〜と思いました(笑)。

 今日はフライトが3本ありました。 1本目は今日始めて一緒に飛ぶことになった女性の生徒でした。 いつも顔は見かけていたのですが一度も話したことはなかった子でした。 クラブにはたくさんの人が出入りするので顔だけは知っているという人が結構います。 もうすぐPPLのフライトテストということで、Power-on stall, precautionary lading, forced landing等の練習をしてきました。 Power-on stallはフルパワーからのストールをやりました。 フルパワーで機首を引っ張ってくと垂直に限りなく近くなります。 機首を引っ張りながら横の窓から外の景色を見るとかなりの角度で上昇しているのが分かります。 今日の生徒は落ち着いて飛んでいたのでよかったです。 今日で女性パイロットと飛ぶのは2回目でしたが、女性のほうが飛び方が大胆だと思いました(笑)。 男のほうがおどおどしたり、怖がったりすることが多いように思います。 女性は強い!と感じさせられたフライトでした。

 ここ数日、無線の周波数をよく間違えます(恥)。 今日も本来であれば122.8MHzで発信しなければいけない内容をビクトリアのアウタータワーの周波数(119.1MHz)で発信してしまい、「あなた、まだビクトリアの周波数で発信してますよ〜」と管制官に言われてしまいました。 生徒が無線で間違いをして、それを指摘していたすぐ側で僕自身がミスを犯してしまい、メンツもなにもあったもんじゃありませんでした(笑)。 幸いこの生徒はがはは〜と笑い飛ばしてくれるタイプの子だったので救われましたが。 でもこれからもうちょっと気をつけようと思います。 大いに反省しました。 日々これ勉強です。

 2本目、3本目はナイトレーティングの生徒でした。 3本目は夜間飛行でしたが、計器飛行の練習をしたので夜間飛行とはカウントされません。 それでもいい練習ができました。

 今日はフライトが終わって7時過ぎから先輩教官といろいろ話をしていたら帰ってくるのが9時過ぎになってしまいました。 いろんな役に立つ話や面白い話を聞きました。 ほとんどは世間話的な内容でしたが。

 今日の写真はうちの近所によく出没する黒猫です。 おそらく親子で、同じ飼い主の猫だと思います。 このうち1匹だけ(たぶん左側の猫)は僕になついていて、夜、僕が家に帰ってくると車の側に寄ってくるときがあります。 もう1匹は僕を見るとあっという間に逃げてしまいます。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-21

ビクトリア492日目:月食。



 今日はお休みでした。 天気は昨日までよりは雲が多いものの、なんとか晴れてくれました。 
 
 今朝はいつもよりちょっと長めのサイクリングに出かけました。 気持ちよく走って帰ってきた後、お昼御飯にパスタを作り、晩ご飯の豚の生姜焼きの仕込みをしました。 いつもは料理をする時間があまりないので、休みの日くらいはしっかりと料理をしたいと思っています。

 お昼からは洗濯をしたり、アイロンがけをしたりしました。 雑用が済んだところで久しぶりに図書館にいきました。 図書館には自転車の雑誌や飛行機の雑誌などが揃っていますので、それを読みに行ってきました。 以前、「パイロット免許を取ったらなるべく飛行機雑誌を購読したほうがよい」という話を聞いたことがあります。 業界でどういうことが起きているかやどんな新しいテクノロジーが開発されているかを知っておくことが将来役に立つかもしれないからだそうです。 そこまでする必要は無いかもしれませんが、雑誌を読むと最新鋭のビジネスジェット機のことなどが紹介されていて、見ているだけでも楽しいものです。 僕が毎日飛ばしている飛行機とは月とスッポンくらいの違いがありますが(笑)。

 夕方からはカメラと三脚を持って写真を撮りに出かけました。 空港のすぐ側にあるPatricia Bayという湾があるのですが、その辺りを今日サイクリング中に通ったらあまりにもきれいだったので写真を撮りにこようと思い立ちました(今日の冒頭の写真は夕暮れのPatricia Bayです)。 いつもはこのブログでは1日1枚しか写真を掲載しませんが、今日は特別に数枚載せてみます。 クリックすれば大きい写真が観れます。

 
(写真上:滑走路09にアプローチしてくるセスナ172)



(写真上:Patricia Bayにある公園の立て看板)

 「飛行機が頻繁にアプローチしてくるので鳥にえさを与えないでください」と書かれています。 Pat Bayには野生の鳥がたくさん羽を休めにやってくるので、空港の周りには常にたくさんの鳥が飛んでいます。 鳥達にはなんの罪もないのですが、空港関係者やパイロットからしてみれば鳥達は厄介な存在です。 そのため、鳥達にえさを与えるようなことはしないでくださいと注意書きがされているわけです。



(写真上:皆既月食)

 最後の写真は月食の写真です。 月の写真を撮ろうと思ってビーチにいったら、カメラを持っている人が何人かいました。 なんでかな?と思ったら、今日は月食だったからでした。 なにも知らずに行ったのですがラッキーでした。 デジカメではなかなかうまく写せなかったのですが、かろうじて月食しているのが分かると思います。


 明日はフライトが3本入っていますが、天気は下り坂です。 果たして飛べるかどうか不安ですが、飛べなかったらその時間を利用して無線のマテリアル作成を進めるつもりです。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-20

ビクトリア491日目:やっぱり曲がる。



 今日は久しぶりにフライトは2本だけでした。 天気は相変わらず晴天でした。 朝は放射冷却の影響か、久しぶりに霜が降りました。

 1本目は先日ディスカバリーフライトをした、雨男と思われる男子生徒です。 今日は幸い晴れました(笑)。 この生徒、訓練費についてかなり心配らしく、ブリーフィングを始める前に今日の訓練費用はいくらになるかを聞いてきました。 お金のことが気になるのはよく分かるのですが、お金のことばかり心配していて訓練に身が入らないのでは困ります。 ざっくりとどんな感じになるかを説明してブリーフィングに入りました。 

 今日も新しいC-152のGYRNを使いました。 今日の写真はそのYRNのコクピットです。 ご覧の通り真っ赤です(笑)。 内装は他の152と殆ど同じなのですが、アームレストがあったり、灰皿があったり、荷物エリアには便利な箱のようなスペースがあったりして少しだけ違うところもあります。  

 前回この152を飛ばした時も少し右にロールする癖があるように感じたのですが、今日も同じように右にロールする傾向にありました。 もしかしたらなにか調整が必要なのかも知れません。 無線機の調子も悪かったので、フライト後にメカニックの人に報告しておきました。 「ちゃんとボリュームは上げたか?」とか、「スケルチはいじったか?」とか聞かれましたが、さすがの僕でもそれくらいは見落としていません(笑)。 ヘッドセットを変えても調子が悪かったので、おそらく無線機自体かジャックの接続かなにかが悪いんだと思います。 うちのメカニックは腕がいいのですぐになおると思います。

 2本目は60-day check rideでした。 おそらく50歳手前くらいの体格の良い男性でした。 手順もちゃんとしていたし、チェックもしっかりしていて、もちろん飛ばし方も特に大きなミスもなかったのでサーキットを3回ほど回って着陸しました。 

 昨日に引き続き、今日は別のヘッドセットを試してみました。 今日は教官のブラッドが使っているDavid ClarkのX-11というアクティブノイズキャンセレーションが付いたヘッドセットです。 ノイズキャンセレーションにはアクティブ(積極的)とパッシブ(受身的)の2種類があります。 アクティブは電子的に騒音を打ち消してノイズレベルを下げる仕組みで、殆どの場合は乾電池を数本使います。 一方、パッシブは電子的ではなく、物理的に騒音をシャットアウトします。 つまり、イヤーカップで耳をすっぽり覆って外から音が入ってこないようにする仕組みです。 最近のヘッドセットはアクティブの機能が発達していて、パッシブのほうはあまり気にされていないようです。 アクティブの良いところはパッシブのように物理的に騒音を遮断するわけではないので、強い力で頭を挟む必要がありません。 逆に悪いところは、バッテリーが切れてしまうとノイズキャンセレーションの力が急激に落ちてしまうところです。 パッシブの良いところはバッテリーが不要なところですが、アクティブと同じレベルの騒音シャットアウトをするにはある程度の力でヘッドセットを耳に押し付ける必要があるので締め付け感が強くなります。 また、耳とヘッドセットの間を埋めるためにジェルパッドを使ったりするので見た目のボリュームが大きく、重量も重くなります。 今日使ったX-11は軽くて締め付け感も弱く装用感は悪くないのですが、アクティブノイズキャンセレーションは思っていたよりもノイズをかき消してはくれませんでした。 バッテリーが弱っていたからかもしれないのでまた使わせてもらおうとは思っています。 次回は音響メーカーのボーズが作っているAviation Headset Xというヘッドセットを使わせてもらう予定です。

 明日はようやくお休みです。 天気はまたもや良いみたいなので明日もサイクリングに行こうかと思います。 あとは洗濯やアイロンがけ、買い物などをする予定です。 やっていることはほとんど主婦と同じです。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-19

ビクトリア490日目:ヘッドセット。



 今日は予定ではフライトを3本こなす予定だったのですが、生徒の一人から電話がかかってきて夜飛びたいということだったで、結局今日はフライトを4本やりました。 ここ数日は毎日青空が広がっています。 気流もとても穏やかで、トレーニングはもちろん、遊覧飛行などにも適したとてもいい日が続いています。

 今日はディスカバリーフライトに一人の男性をお連れしました。 おそらく60歳後半くらいの方で、船は操縦したことがあるけど飛行機を飛ばしたことがないのでパイロットライセンスを取りたいという方でした。 使う飛行機はセスナ152だったのですが、この男性は結構重く、しかも燃料もいつもよりも多めに積んでいたので制限重量ぎりぎりの重さになりました。 セスナ152は1670パウンド(約760kg)までの重さであれば離陸できます。 今日はほぼ1670パウンドで、しかも気温も上がってきていたのでちゃんと上昇できるかどうか少しだけ緊張しました。 結局のところは何の問題もなくフライトできました。 今日もビクトリアの上を飛びました。 ディスカバリーフライトのときはいつもビクトリア上空で少しだけ操縦を体験してもらいます。 旋回をやってもらったり、上昇・下降を少しだけ体験してもらいます。 とても短いフライトですが、皆さん喜んでくれます。 なので僕も当然うれしいです。

 今日、初めて女性の生徒と飛びました。 いつもは他の教官と飛んでいる生徒ですが、今日はその教官の代理で飛びました。 日本のアニメを観たことがあるらしく、日本語の言葉を少し知っていました。 いつも思いますが、女性でパイロットを目指す人はすごいな〜と思います。 別に偏見もなにもないつもりですが、単純にやっぱり女性でパイロットになりたいという人は圧倒的に男性に比べると少ないですから。 今日の生徒はブッシュパイロットになりたいそうです。 見た目は華奢だし、ブッシュパイロットをするような雰囲気は一切ないんですけど、頑張ってもらいたいものです。 女性のほうがパイロットには向いているという人は結構います。 一度にいろんなことをやってのけるのは女性のほうが得意なようです。 

 今日は日の入り後にローカルエリアで計器飛行をやりました。 外は真っ暗なので外を見ていようがフードをつけていようがあんまり関係ありません。 

 今日の写真はin-earタイプのヘッドセットです。 教官になり、毎日飛ぶようになってからヘッドセットを買い替えようと思うようになりました。 最近の主流はANRというノイズキャンセレーションシステムが付いたヘッドセットです。 電子的にノイズを打ち消すのでエンジンからの低い周波数の騒音をシャットアウトしてくれます。 騒音が減ることでフライト後の疲れ具合が全く違うそうです。 人によっては毎日騒音を聞くと慢性的な頭痛に悩まされたり体調を崩したりする人もいるそうです。 いつもはヘッドフォンのようなヘッドセットを頭に乗っけていますが、それにはノイズキャンセレーションはないので物理的にイアーカップの中に耳を入れて音が入ってこないようにしているだけです。 このタイプのヘッドセットではフライトの後に頭のてっぺんの髪の毛がぺったんこになります(笑)。 今日の写真はin-earというタイプで、名前のとおりイアフォンのようなものを耳の中に入れます。 いろんなリビューを見てみるとこのタイプのほうがノイズキャンセレーションよりもノイズを消すことができると書いてあります。 さらに、これは頭に乗っけるタイプではなく、耳がけのタイプです。 なので髪の毛がぺったんこになることがありません。 これはいいな〜と思ってネットでいろいろ調べていたら、生徒の一人がこれを持っていて、「使っていいよ」と言ってくれたので今晩のフライトに早速使わせてもらいました。 軽いし、ノイズも結構消えるし、頭はぺっちゃんこにならないからいいな〜とは思うのですが、耳がけのところが結構痛くて、フライトの最後のほうでは耳が痛み始めました。 やっぱり普通のタイプがいいのかな〜と考え直し始めています。 明日は他の教官のANRがついたヘッドセット(David Clark X11)を借りてフィールドテストする予定です。 ノイズキャンセレーション付きのヘッドセットの唯一の問題は値段です。 だいたいどれも8〜10万円くらいします。 恐ろしい値段ですが、毎日使うものだし、健康に影響してくるので仕方ない出費なのかも知れません。 長く使うなら早めに欲しいのですが、果たして買えるかどうか・・・。

 明日はフライトが3本ある予定です。 それが終わるとやっとお休みです!

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-18

ビクトリア489日目:Over-the-top。



 今日はフライト3本の予定でしたが、最初の1本目は低い雲の影響でキャンセルせざるを得ませんでした。 そのかわり、その生徒とは次回のレッスンのブリーフィングをやり、無線会話についてのブリーフィングをやりました。 だいぶできるようになってきているみたいなので、次回からは無線で話す機会をもっと増やしてあげようと思っています。
 
 驚かれる方もいるかも知れませんが、英語のネイティブスピーカーであっても航空無線で手こずる生徒は多いようです。 他の教官と話をしても、「○○君は腕は悪くないんだけど、無線がね〜」ということをよく耳にします。 ネイティブなんだから、最悪の場合は普通に会話すればいいんじゃないの?とも思いますが、そういうわけにもいきません(笑)。

 2本目はCPL訓練を最近始めた生徒と飛びました。 この生徒、とにかくよくしゃべります(笑)。 彼と飛ぶのは今日が2回目だったのですが、ユーモラスなのは悪くないですが、しゃべり過ぎは困ります。 かといって黙れというのも悪いので、なんとな〜く、「それじゃレッスンに集中して」といって話をさせないようにしています(笑)。 今日は空港上空には低い雲があったのですが、ローカルウエストは悪くないという話を他の教官から聞いたのでいつもの訓練空域に向かいました。 最初は1000ftで飛んでいましたが、雲の切れ間を見つけて2500ftまで上がりました。 今日は雲の上に出て計器飛行の練習をしました。 CPL免許を取得すると自動的にVFR Over-the-topという、ある一定の条件をクリアすれば雲の上を飛ぶことができる権限が与えられます。 今日はまさにそういう感じでフライトをしました。 今日はちょっと長めのフライトになりました。 計器飛行の練習が終わってからスピン(きりもみ落下)からのリカバリーの練習を数回しました。 生徒は楽しんでやっていましたが、あくまでも安全のためという名目でやっています。 訓練ではいろんなマニューバーをやりますが、その中でもスピンリカバリーは一番ドラマチックな動きをするのでスピンを楽しむ生徒は多いです。 しかし、一歩間違えば命を落としかねない危険なマニューバーです。 遊びのためにやるのではなく、あくまでも安全のため、万が一のために備えてやるということをよく理解しておかなければいけません。 楽しいのはよく分かりますけどね(笑)。

 3本目はディスカバリーフライトでした。 今までに2回フライトを延期してきた雨男な人でしたが、今日はようやく晴天に恵まれました。 ビクトリアの上空を2周回ほどしてもどってきました。 「初めてのフライトなんだから僕がやることを見ながら、あとは外の景色を楽しんでいいよ」といったのですが、飛行機の操縦やシステムにかなり興味があるのか、あれこれと質問をしてきました。 質問は大いに結構なのですが、フライトの一番忙しい時(無線会話をしているときやアプローチを開始するとき)に話し始められたのでちょっと困りました(笑)。 この人は今日から僕の生徒になり、火曜日からフライトトレーニングを開始します。 また生徒が増えました。 うれしいことです。

 明日も3本フライトの予定です。 良いペースで飛べているのでうれしいです。 明日も天気はいいようなので楽しみです。

 今日は天気が良く、気温もそこそこ上がってきて、街では半袖の人がいたり、オープンカーは幌やトップカバーを外して気持ち良さそうに走っていました。 それを見ていたらどうしても自転車に乗らなければいけない!という強迫観念に襲われ、仕事の後に1時間だけサイクリングに出かけました。 

 今日の写真はビクトリア空港にあるヘリコプター運行会社VIHのエプロンで見かけたヘリです。 登録番号を調べてみたらアメリカのポートランドにある病院が運行しているヘリのようです。 どおりで機体の横側には「Life Flight Network」とペイントされているわけです。 患者でも運んできたのか、それともメンテナンスのためにビクトリアまで来たのかはわかりません。 ビクトリア空港にはヘリコプターもよく飛んできます。 このヘリの垂直尾翼にはかわいいバラの絵がペイントされていました。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-17

ビクトリア488日目:「体で感じろ!」。



 今日は天気もなんとかもってくれて、朝10時からフライトを4本こなしました。 

 1本目と3本目はカナダ人の男の子で、今日はストール(失速)からの回復の練習を主にやりました。 この生徒は頭が結構いいようなのですが、いつも理屈ばかりで考えようとします。 飛行機の操縦は理屈も大事ですが、それ以上に飛行機がどういう動きをしているかを体で感じることも大切です。 僕がPPLの訓練を受けていたときには、「Don't think, feel it(頭で考えるな、体で感じろ)!」とよく教官に言われたものです。 今になってその言葉の意味がよく分かるようになりました。 僕の生徒にも体で飛行機の動きを感じとれるようになってもらいたいものです。

 2本目はディスカバリーフライトで、見た目でだいたい30代最初か半ばくらいの男性でした。 今日の写真の手前に写っているGYRN(無線交信では「ゴルフ、ヤンキー、ロミオ、ノーベンバー」と発音します)という赤いセスナ152でビクトリア上空までお連れしました。 僕が日本から来たという話をしたら、袖をめくって立派な龍と鯉の入れ墨を見せてくれました。 なんでも名古屋までいってわざわざ彫ってもらったそうです。 カラフルできれいなタトゥーでした。 このGYRNは最近クラブが追加したセスナ152です。 コクピットの中まで真っ赤で、いかにも70年代製という感じのインテリアです(笑)。 今日初めて飛ばしましたが、しっかりと整備されていてタイトな感じのコントロール感が印象的でしたが、どうも右にロールする傾向にあるように感じました。 もちろん燃料や乗客の体重などによって飛行機のバランスはかわりますが、どうもそれとは違う理由があるように感じました。 それにしてもこの飛行機の登録番号、発音しにくくて仕方ありません! どうやら母音が多いからだそうです。 ネイティブでも言いにくいそうです。

 4本目はナイトレーティングの生徒でした。 ブリーフィングをして、薄暗くなってきてから出発しました。 フライトの前に電話がかかってきて、「乗客をつれていってもいい?」と聞かれたのでOKしました。 彼はもうPPLを持っていますし、今日は初めてのナイトフライトでビクトリアの上空を飛ぶ予定だったので乗客がいても問題ないと判断しました。 生徒が連れてきた彼女と思われるその女性は小型機に乗るのは今回が初めてということでしたが、今夜は気流も穏やかで、生徒の操縦テクニックもまずまずだったので楽しんでもらえたようです。 フライトの途中でGPSや無線機をいじっていたら、触れてはいけないスイッチを入れてしまったようで、しばらく無線が使えなくなってちょっと驚きましたが、無事にビクトリアに戻ってきました。

 今日は教官を始めてから初めてとなる1日4本のフライトをこなしました。 飛行時間はぐんぐん伸びていますのでとても嬉しいのですが、一方で教官になると自分で操縦をすることが殆どなくなります。 教官は飛行機を飛ばすのが仕事ではなく、生徒が操縦できる時間を最大限に作ってあげるのが仕事だそうです。 僕が操縦をするのを見て学ぶよりは、実際に生徒が操縦桿を握り、体を使って覚えるほうが効率は良いそうです。 Flight Instructor Guideによれば、このプロセスは原始人が子供に石斧の作り方を教えたやり方と同じだそうです。 まずは親が自分で斧を作ってみせ、それから指示を与えながら子供に作らせ、次は指示なしで子供が作るのを監督し、最終的には子供が一人で斧を作れるようになります。 


 明日はフライトは3本あります。 うち、1本は先週飛べなかったディスカバリーフライトの男性なので、明日はきっと楽しんでもらえると思います。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-16

ビクトリア487日目:Peace of mind。



 今日は朝から雲が低く雨が降っていました。 今日の予定はフライト3本となっていましたが、結局すべてキャンセルとなりました。 そのうちの1本はディスカバリーフライトで、フライトに連れて行く予定だった人は先週も天気が悪くてキャンセルになっていた男の子です。 よほどの雨男なんでしょう・・・(笑)。 幸い週間天気予報では日曜日は天気が良いようなので、日曜日にフライトを予約し直しました。 

 今日はナイトフライトのためのカリキュラムを考えてみました。 ナイトフライトは計器飛行(IFRではなく、あくまでもVFR下での計器を使った飛行です)がPPLのときの時間を含めて計10時間、さらに5時間の夜間同乗訓練、5時間の単独飛行訓練が必要です。 フライトテストはなく、教官が生徒の操縦技術に問題が無いと判断したらナイトレーティングに推薦をし、諸条件をすべてクリアしていればライセンス発行手数料を支払ってレーティングが発行されるという仕組みです。 計器飛行の訓練にはPPLの訓練で行った計器飛行の復習や、PPLではあまり時間をかけなかったVORやADF、GPSといったナビゲーションの基本的なやり方などを教えます。 Transport Canadaが発行しているFlight Instructor Guideというガイドラインにはナイトフライトではどういう内容をカバーすべきかは書いてあるのですが、比較的曖昧です。 どういう順番で教えていけば効率がよくて生徒のためになるかを考えて自分なりの教える順番を考えてみました。 早速今担当している生徒達で試してみようと思います。 

 今日はクラブでの用事がすべて終わった後にビクトリアの電気屋に行って、写真の通り外付けハードディスク(HDD)を購入してきました。 このブログを去年から読んでくださっている方ならご存知のとおり、昨年の、しかもフライトテストの直前あたりで僕のマックのハードディスクがクラッシュして大切なデータを失いました。 それ以来バックアップ用にハードディスクを購入する必要性を感じていたのですが、日本ではデジカメなどの購入にマイルをすべて使ってしまったのでHDDを購入するのが今日になってしまいました。 早速ハードをバックアップしました。 このHDD、セールをしていてかなり格安で買えたのでラッキーでした(嬉)。 ポルシェデザインという会社がデザインしたHDDで、きれいな見た目です。 名前のとおり、車のポルシェの子会社だそうです。

 明日は天気は回復の方向にあるようなのでうれしいです。 明日はフライトが4本入っています。 明日も頑張ります。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-15

ビクトリア486日目:またまたナイトフライト。



 今日は朝7時から3時間だけラインクルーの手伝いをしてきました。 最近になって新しいラインクルーが数名入り、ようやく彼らのライントレーニングが終了して一人で働けるまでになりました。 そのおかげで僕がラインクルーとして働いたり手伝いをしたりするのは今日でとりあえず最後になるようです。 ラインクルーの仕事を通していろんなことを学べたのでよかったですが、これからは寒い日の朝早くから肉体労働をしなくて済むのでちょっとだけ安心しています(笑)。

 10時からフライトを3本やりました。 1本目はこの前も2回ほど一緒に飛んだ、他の教官の生徒です。 今日はスローフライトを練習し、ストールのデモをやってもどってきました。 2本目はナイトレーティングをやっている生徒でした。 他のスクールで免許を取った生徒で、いろいろとクラブでは教えないやり方をやったり、手抜きをしている部分がありました。 僕はあんまりガミガミと注意をするのは好きではないのですが、「フライトテストに合格するためだから」と断りを入れていろいろ注意をしました。 ちゃんと聞いてくれる感じの良い若者なので飛んでいて気持ちがいいです。 3本目はこれまたナイトレーティングの生徒。 今日は彼にとって初めてのナイトフライトでした。 いつもあまり感情を表さない生徒ですが、それでもにわかに興奮していたようです。 最初は緊張したと言っていたものの、ビクトリアの夜景を楽しんでいたようですし、夜間の離着陸の感じ方の違いにもさほど戸惑っていないようだったので今後もスムーズに訓練を進めることができると思います。 もう少ししたらナイトクロスカントリーを数本立て続けにやると思います。 おそらく、ビクトリアーアボツフォードーバンクーバーハーバー経由ーナナイモービクトリアのコースを飛ぶと思います。 GPS, VOR, ADFをフル活用したナビゲーションにしたいと思います。 ナビゲーションエイドを使ってのフライトを通して生徒はいろんなことを学習できますし、僕自身にとっても良い経験になると思います。 

 今日の写真はクラブのオフィスです。 飛んでいないときはこんなオフィスに詰めています。 写真真ん中の椅子と机が若手教官の共有デスクです。

 明日もフライトが3本ありますが、天気は下り坂で雨が予報されているので、キャンセルになるかもしれません。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-14

ビクトリア485日目:休日。



 今日は水曜日。 僕の休みの日です。 日本にいるときからそうでしたが、僕が休む日は晴れることが多いです。 今日も写真のとおり、いい天気になりました。 カナダでも晴れ男ぶりはまだまだ健在のようです!

 今日はまずいろんな用事を午前中に済ませました。 大家のブライアンに頼んで庭に洗濯ロープを張ってもらいました。 こちらでは洗濯物は乾燥機で乾かすのが一般的です。 でも、乾燥機を使うと洗濯物がぐるぐるとかき回される工程で服の生地が結構痛んでしまうようです。 また、コットンの服は乾燥機にかけると当然縮みます。 そういうのを避けたい洋服だけ日本での洗濯と同じように外に干すことにしました。 今日はダラーストアで洗濯バサミを買ってきました。 こちらの洗濯バサミって木製が多いんですね。 プラスチック製もありましたが、こちらのほうが雰囲気がいいと思って木製のやつにしました。 40個で1ドル50セント。 安かったです。

 用事を終わらせてから、今年になって初のサイクリングに行きました。 自転車の点検をしたら、昨年末にしっかり掃除をして注油しておいたので錆びなどもなく、良いコンディションを保っていました。 タイヤの空気圧だけチェックして、久しぶりに1時間のサイクリングに出かけました。 約1ヶ月半ほど自転車に乗っていなかったので体がついていけるか心配でしたが、問題なく走れました。 アベレージスピードは以前よりは若干下がりましたが、それでも久しぶりに乗ったことでペダリングをしているととても新鮮な感じがして楽しかったです。 これからも休みの日にはサイクリングに出かけて心身ともにリフレッシュしようと思います。

 ここで皆さんにお知らせです。 今日、ようやくYouHaveControl.netのメインサイトのデザインを一新し、リニューアルオープンしました! 内容は以前のものと似ているところもありますが、訓練などに関する情報を追加しました。 これからカナダでパイロット免許を取得したいという方のお役に少しでも立てればと思います。 もちろん内容的にはまだまだ完璧ではありませんが、これで少しは海外での飛行訓練や生活に対する具体的なアイデアが湧いてくると思います。 これからも少しずつサイトの内容を濃くしていきたいと思います。 なにかリクエストや知りたいことがあればぜひお知らせください。 また、サイト内の情報に間違いがある場合は遠慮なくご指摘ください。 

 なお、今回のサイトリニューアルに際し、元同僚のLさんにバナーのデザイン・加工をお願いしました。 どうもありがとう! 


 明日は朝から最後のラインクルーの手伝いをして、それからフライトが3本あります。 また忙しい1週間の始まりです!

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-13

ビクトリア484日目:ムーディー。



 今日はなんとか飛べる一日になりました。 今日はフライトを3本やりました。 

 1本目はインド人の生徒でした。 最初は集中力があるのか上手に飛んでいたのですが、30分もすると最初はできていたことができなくなったりします。 生徒を観察するのはとても面白いですが、教官である以上、「面白い」では済ませられません。 この生徒はCPLの筆記試験を受験するために勉強をしたいそうで、向こう10日ほどはフライトは控えることになりました。 無事に合格してくれることを祈っています。

 今日、この生徒と飛んでいたら、管制官がとても機嫌が悪く、「あと何回タッチアンドゴーするつもり?」と言ってきたり、タッチアンドゴーをリクエストしているのに着陸(タッチアンドゴーではなくフルストップ着陸)の許可を出してきたりしました。 この、特定の管制官はいつも機嫌が悪いですが、今日は特に悪かったです。 気分屋なのはかまいませんが、生徒や他のパイロットに非がないのに自分のムードで勝手に態度を悪くされたりするのではたまりません。 いずれ会う機会があったら一度びしっと言ってやろうと思います。 嘘です。

 2本目はカナダ人の生徒。 風が強かったのでフライトはちょっと早めに切り上げ、forced landingのブリーフィングをしました。 この生徒、どうも独特のユーモアのセンスがあるようで、僕の冗談は伝わらず、彼の冗談を僕はなかなか理解できません(笑)。 日本人でももちろんそうですが、カナダ人にもいろんなタイプの人がいます。 おもしろいですね。

 3本目は今日から一緒に飛ぶことになった生徒でした。 なんでも空から地上の写真を撮って地図を作ったりする仕事をしている男性だそうです。 VFCではなくバウンダリーベイのスクールで免許を取ったそうで、クラブの飛行機を飛ばすのは今日が初めてでした。 いくつか僕が教える方法とは違う方法で飛んでいましたが、それでも安全だったので問題はないと思います。 今日からナイトレーティングを始め、CPLまでやる予定です。 今日は彼と計器飛行を1時間やりました。 日の入り直前に離陸したので、フライトの終わりのほうはナイトフライトになりました。 途中でライトをつけた飛行機がこちらに向かってダイブしてくる〜!と思ってみていたら、実は流れ星でした(笑)。 今日はフライト中に流れ星が2つ見えました。 良いことが起きてほしいものです(笑)。

 今日の写真はセスナ172/152のスパークプラグです。 エンジンから取り外すとすぐに錆びます。 なので、サンドブラスターという細かい砂を吹き付ける機械で錆びを落とします。 結構楽しい作業です。

 明日はお休みです。 

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-12

ビクトリア483日目:ナイロン袋はもう結構。



 海外(主に北米)でスーパーマーケットに行ったことがある方ならご存知だと思いますが、こちらのスーパーでは殆どの場合は店員さんが買い物袋に買った商品を詰めてくれます。 場所によっては「plastic or paper?」というように、買い物袋はポリ製(plastic)か紙製かどちらが良いかを聞いてくれます。 聞かれなくても、「Paper please」と言えば紙袋を出して来てくれます。 何も言わないと殆どの場合はポリ袋です。 問題なのは、ポリ袋がとても薄くて耐久性が極端に低いので、重いものを入れるときは2枚重ねにしますし、軽いものでもなるべく重くならないように多数の袋に商品を分散して入れられます。 一人暮らしの量しか買わない僕なのに、普通の買い物をするとナイロン袋を3、4個ぶら下げて帰ってくることになります。 このおかげで家にあるナイロン袋の数が尋常じゃない状況に陥ります。 スーパーではレジ袋のリサイクル回収をしていますが、はっきり言って持って行くのが面倒です。 そこで今日からは写真のような何度も使える買い物袋(エコバッグ)を買って使うことにしました。 1つ100円程度です。 これがあればレジ袋はもらわなくて済むし、家の棚がレジ袋でいっぱいになることもないし、環境にはやさしいし、車に買い物した物を積むときも崩れないし、と良いこと尽くめです。 もっと早く買えば良かったとちょっと後悔しています。 とりあえずこれでエコ人間にまた1歩近づきました(笑)。
 
 今日はフライトが3本入っていましたが、霧雨による悪天候のためすべてキャンセルになりました。 ただ、そのうち一人の生徒とだけはグランドブリーフィングだけを1時間やりました。 昨日の悪天候の中を一緒に飛んだ男の子ですが、今日はすっかり元気になっていました。 おとなしい感じの子ですが、しっかり言うことに耳を傾けてくれるし、教えやすい良い生徒だと感じています。 ただ、彼は僕の生徒ではないので、これからは一緒に飛ぶことは殆どないと思います。 ちょっとだけ残念ですが仕方ありません。

 今、航空無線の手順をまとめた簡単な書類を作成しています。 英語で作っているので、クラブのディスパッチのブライアンにいろいろ訂正してもらっています。 彼もいずれは教官になる予定なので、共同でいろんなマテリアルを作っていこうという話になりました。 彼はデザインやウェブサイト作成もできるみたいなので、これから強力な味方になってくれそうです。

 今年の正月にYさんのお宅で年越しをさせてもらったとき、YさんとN君と僕とで飛行機DVDをたくさん見ていたのですが、そのときにちょっと話題になった、「コクピット内の警告音が鳴る目覚まし時計があったら面白いのにな〜」というアイデアを今日、実行に移してみました(笑)。 いろいろ探してみたところ、このサイトで警告音のmp3を発見しました。 残念ながら僕の携帯のアラーム機能の音には使えなかったのですが、マックのメール受信時の着信音に設定してみました。 メールを受け取ると、「ブオ〜ブオ〜ブオ〜」というオートパイロットを解除したときの音が流れるようになりました(笑)。 飛行機好きで暇がある方はぜひお試しください。

 明日もフライトが3本ですが、今週はずっと天気が悪いみたいです。 せめて1本だけでも飛べればいいんですが。 これから時間があるときには航空無線の音声ファイルの編集をちょこちょことやっていくつもりです。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-11

ビクトリア482日目:ウィンドシェア。



 今日はフライトの予約が朝から5本入っていたので大忙しの1日になりました。 天気は昨日よりはマシですが、それでもやはり風は強めでした。

 1本目はPPLの生徒。 僕が一から教えている生徒です。 今日はスローフライトの練習をしました。 訓練空域は山を超えて吹き下ろしてくる風によって荒れ気味でした。 それでもなんとか飛べる感じのコンディションだったので訓練をしました。 生徒にやらせることを少しずつ少しずつ増やしていっています。 ウォークアラウンドも一人でやらせるようになりました。 まだ慣れていないのか、それとも単純にスローな子なのかわかりませんが、ウォークアラウンドに30分近くもかかっている状態です(CPLの生徒なら念入りにやっても10分もかからないはずです)。 近くにいると甘えてしまうだろうし、僕もすぐに手を貸してしまいそうなので、なるべく遠くから見守っていました。 少しずつ慣れていってもらえればうれしいところです。

 2本目もPPLの生徒。 今度は他の教官の代わりのレッスンでした。 この辺りから風が急に酷くなり、タービュランスがものすごくなりました。 今日は上昇・下降の練習でしたが、高度やエアスピードを保つのが難しいほど揺れました。 途中で生徒が「酔ったみたい・・・」というので、即刻訓練を中止して、僕の操縦で空港に戻りました。 すぐに空気孔を開け、冷たい風を取り込み、なるべく揺れないように慎重に操縦しました。 なるべく気分が悪いことを忘れるように、「んで、どこに住んでるの?」とか、「大学ではなにを勉強しているの?」という話をして気を紛らわせました。 ヒーターを切っているので僕は寒くて寒くて仕方なかったのですが、吐かれるよりはマシかなと思って我慢しました(笑)。 念のためエチケット袋も渡しておきましたが、幸い出番はありませんでした。

 このフライトからの帰り道、滑走路09にアプローチしようとしたのですが、上昇気流がものすごく、全然降下できませんでした。 エンジンはアイドル、フラップ10度、エアスピードは70ktとごくごく普通の降下の手順なのですが、これではどんどん上昇してしまいます。 スリップを思いっきり入れてもだめ。 結局オーバーシュート(着陸やり直し)しました。 ちょうどそのときサーキットにはチーフフライトインストラクターのグラムがクラブの新しいセスナ152のテストフライトのために飛んでいました。 グラムが滑走路の変更をリクエストし、僕はグラムに続く形で空港上空を通過して滑走路27のダウンウィンドに入りました。 ファイナルアプローチを開始する直前、シドニーの町の上にさしかかったあたりでウィンドシェア・タービュランスに遭いました。 ウィンドシェアというのは、突然風向きが変わったりする現象のことです。 水平に飛んでいたのに、ほんの一瞬の間に60度のバンク、急激なノーズダウンの姿勢に陥りました(汗)。 すぐに姿勢を戻し、パワーを足してことなきを得ましたが、あんなに酷いウィンドシェアに1000ft以下で遭うとは予想もしていなかったので、かなり焦りました(笑)。 結局、風向きはめまぐるしく変わり、テールウィンドの中をいつもより速めのエアスピードで進入し、無事着陸しました。 この着陸が今まで飛んで来た中で一番難しい着陸だったように思います。 安全に戻って来れて安心しました。

 3本目と4本目はどちらもPPLの生徒で、風が収まらなかったのでどちらもキャンセルになりました。 チーフの指示で風が収まるまではクラブ機のフライトは一時禁止になりました。

 夜になって5本目のフライトにいきました。 風は収まっていたので問題ありませんでした。 今日もインド人の生徒と飛びました。 天気は問題なかったのですが、生徒のパフォーマンスが今ひとつでした。 根気強くつき合うしかないと思っています。

 今日はフライトがキャンセルになって時間ができたときにセスナ172に搭載されているGPSを取り外し、ドッキングステーションにつなげてGPSの使い方の基礎を勉強しました。 今日の写真はそのGPSです。 約10年ほど前のモデルらしいのですが、基本的な使い方はどれも同じです。 マニュアルを読むだけではやはり使い方をマスターできないので、今日は実際にGPSを触ってルートの作成やwaypointの追加・削除、Direct-to機能、フライトプランの作成などの手順を勉強しました。 これでようやく生徒に教えるのに必要な基礎知識ができたと思います。 

 フライトの合間に時間があったので、昨日ウェブで見つけたベースメントスイートを見に行ってきました。 僕が住んでいる半島の最北端にあるベースメントスイートで、オーシャンビューで素敵でしたが、料理をちゃんとできるキッチンがなく、洗濯設備もなかったので諦めました。 場所、大家さん、そして家賃はよかったんですけどね〜。 部屋探しはまだまだ続きます(笑)。

 明日は3本のフライトがあります。 明日こそは穏やかな気流になってもらいたいものです。 そうでないとPPLの生徒には厳しいコンディションになってしまいますので。

 ではまた明日。


(つづく) 

2008-02-10

ビクトリア481日目:天気予報。



 今日は朝から1000フィート以下に雲が多く存在していて、霧雨や霧の影響もあってフライトできるコンディションではありませんでした。 そのため、朝のフライトをまずキャンセルしました。 その後天気は幾分回復しましたが、今日のフライトのうちの2本はビクトリア上空を飛ぶディスカバリーフライトで、そのために必要な高度が稼げないような天気だったのでそれらは来週に延期しました。 最後の1本も天気予報とかなり長い間にらめっこをした結果キャンセルしました。 結局今日はフライトはなしの1日になりました。 その代わり、無線の練習のために必要な資料を作ったり、GPSの使い方を教えるためのインストラクターガイドと呼ばれる運輸省が発行している書類に目を通したりしました。 

 ここ数日天気はあまり良くなく、天気予報を解読したり天気の移り変わりのトレンドを読み取るのがとても難しい日が続いています。 ビクトリアでのフライトには通常ビクトリア(CYYJ)、ナナイモ(CYCD)、ビクトリアハーバー(CYWH)のMETAR(メター)と呼ばれる航空天気観測やTAF(タフ)という航空天気予報を見て訓練空域の天気を判断します。 天気はこの地域では殆どの場合が南西の方角から山を超えてビクトリア方面に流れ込んできますので、ナナイモ(ビクトリアの西)の天気を見れば訓練空域の天気はだいたい想像がつきます。 もし同日の早い時間に他の教官やパイロットが訓練空域に出かけていた場合にはそういうった人たちに直接天気の具合を聞いて参考にします。 今日のように低い高度のいたるところに雲が点在していて、さらに一時的にVFR以下の天気が予報されているときのような場合にはとても気を使います。 僕が一人で飛んでいるのであれば、最悪の場合は海面すれすれで飛んで帰って来てもいいでしょうし、他の空港に着陸して天気の回復を待ってもいいと思います。 しかし、生徒をつれて飛んでいる場合にはなるべくそういうことはしたくないですし、悪い手本を示すのも避けたいところです。 こんな理由から天気に関してはかなり保守的な見方になってしまっているように思います。 これからいろんな天気での訓練フライトを経験すればもう少し天気を読む力も養われるんではないかとは思います。 あと、フライトするかどうかの判断は一緒に飛ぶ生徒の訓練の進み具合にも左右されます。 もうすぐCPLのフライトテストというような生徒であればよほどのことが無い限り飛んで行くと思います。 でも、PPLを始めたばかりの生徒は悪天候の中でのフライトに慣れていないですし、そういうコンディションで飛ぶとすぐに集中力を欠いてしまう傾向にあるようです。 ですので、やっぱりある程度天気が良いときに飛ばないと効率のよい訓練はできないと考えています。 クラブにいるときにはベテランの教官達に天気のことなどいろんなことについて質問しています。 いろんな話を聞いて自分の経験値の足しにできればと思っています。

 明日は初めて1日に5本のフライトをこなすことになっています。 帰ってくるころにはふらふらになっていると思います(笑)。

 今日の写真はトリムホイールです。 飛行中に飛行姿勢を保つために操縦桿をひっぱったり、時には押したりしますが、そういう操縦桿の圧力を軽減するためにこの車輪を回します。 これを回すと水平尾翼についた板が上がったり下がったりして、飛行機の姿勢を保つ手助けをしてくれます。 これをしないと水平飛行をするのは難しいですし、ずっと圧力と戦うことになるので腕が疲れてしまいます。 怠け者の味方、それがこのトリムです(笑)。 訓練を始めたばかりの生徒が苦戦するのがこのトリムホイールの使い方です。 中にはこれを全然使わずに飛ぼうとする生徒もいます。 これをちゃんと使えるようにならないといつまでたっても一定の高度とスピードで飛行機をコントロールすることができません。 

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-09

ビクトリア480日目:初任給。



 タイトルのとおり、今日は教官として初めてのお給料をもらいました。 たいした額ではないのですが、初めてということでうれしいのと、とりあえず家賃くらいは出せるお金を稼ぐことができたのでうれしいです。 以前にも書きましたが、こちらでは2週間に1度給料日があります。 そのせいもあってか、額が細分化されるので、しっかり稼いだ!という感覚はいっさいありません(もともと大して稼いでいないことも原因の一つです・・・笑)。 

 今日もフライトが3本ありました。 今日も天気があまりよくなく、ローカルエリアにいったパイロットからはかなり揺れたという報告がありました。 今日はたまたま一緒に飛ぶ生徒達が全員サーキットをしないといけない日だったので、ひたすらサーキットを飛びました。 一人の生徒で10回前後はタッチアンドゴーをしますので、今日は30回くらいは着陸したと思います。 空港周辺は天気はまずまずだったので、良い練習ができたと思います。

 午後5時からはCPLのグランドスクールを教えました。 今回はPPLのグランドスクールに比べると出席人数が少なく、10人以下の小さなクラスになりました。 今日がCPLグランドスクールの今年最初のセッションの初日でした。 まずはみんなに自己紹介をしてもらいました。 既に知っている顔が多かったこともあって、かなりアットホームな感じで授業を進めることができました。 クイズもちゃんと解いてくれたし、満足の行く内容でした。 やっぱり2回目ともなるとかなり落ち着いてクラスを進めることができました。

 明日はフライトが4本あります。 そのうちディスカバリーフライトが2本です。 あとの2本は一人の生徒と飛びます。 既に免許を持っている生徒と飛ぶのも楽しいですが、現在PPLをやっている生徒と飛ぶのもやりがいがあって楽しいものです。

 今日の写真はクラブのブリーフィングルームです。 壁にはコクピットの写真があって、あとは飛行機の写真やら、飛行機に関する新聞記事などが掛けてあったりします。 いたるところに飛行機があります。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-08

ビクトリア479日目:揺れ。



 今朝はラインクルーの手伝いで朝7時からクラブに行きました。 今日は天気は悪くはないのですが、強風警報がまたまた発令されていて、風がとても強い一日でした。 朝8時からフライトが数本予約されていましたが、殆どが出発を遅らせたかキャンセルしていました。

 午前10時から僕の今日のフライトが始まりました。 1本目はインド人の学生。 VORを使ってのナビゲーションの最終段階をやりました。 タービュランスの影響で高度を保つのがなかなか大変な中、そこそこ上手にできていたと思います。 今日はいつもとは違ってソルトスプリング島のガンジース周辺を飛び、そこから空港に戻ってきました。 いつもとは違うアライバルポイントを飛ぶのも良い経験になると思ってそうしました。

 1本目のフライトの後、昨日作っておいたおにぎりを食べました。 今日はお昼休みがちゃんとありました。

 2本目のフライトもインド人の学生。 彼はもう間もなくCPLのフライトテストなのでアッパーエアワークを中心に練習したいということでしたが、風とタービュランスの影響で高度を下げる練習は今日は危険と判断したので、代わりにサーキットをやりました。 Power-off 180 accuracyというエクササイズです。 風が最高30ノットまで出ていて、サーキット内でもかなりのタービュランスがあって大変でしたが、上手にコントロールできていたと思います。 向かい風が強いと下降する角度が普段よりも急になり、そのおかげで飛行機が地上のどこに到達するかを判断するのが難しくなります(通常よりも滑空距離が短くなります)。 また、風が強いとフラップの使用を制限せざるを得ないので、高度を落とすのは主にスリップというテクニックを使うことになります。 今日はその他の高度を落とす隠れテクニックをいくつか教え、サーキットを1.5時間やりました。 最初はタービュランスで飛行機が振り回されていて少し心地悪い感じではありましたが、10分もすると体がなれ、今度はタービュランスがないと退屈してしまいます(笑)。 慣れってすごいですね。

 3本目のフライトはPPLに取り組んでいる学生。 風が強かったのでIllusion created by drift(風に飛行機が押し流されることによって生じる幻覚)というエクササイズをやりました。 ところが、この学生は揺れなどに遭遇するとすぐに集中力を失ってしまうようです。 普段のスムーズなコンディションであればちゃんとできていることも少しの揺れに遭遇するとできなくなってしまいます。 まだ飛行時間が20時間程度と少ないので仕方ないようには思いますが、これには彼の性格も少なからず影響しているように思います。 これからもしっかりモニターしていかないといけないなぁと思っています。 無線の手順もぎこちなく、いわなければいけないことをしっかりと理解していないようです。 彼のために今夜、無線の手順をまとめたプリントを完成させました。 以前から取り組んでいたものですが、ようやくまとめました。 これを彼に渡してしっかりと自習してもらおうと思います。 

 明日もフライトが3本入っています。 忙しいのはありがたいことです。 夕方からはCPLのグランドスクールで航空法を教えます。 今期のCPLグランドスクールは明日から、僕のレクチャーから始まります。 僕なんかのレクチャーで始まるのがなんとなく申し訳ないです(笑)。 クイズもスライドも準備万端です。 なんとか間に合いました(汗)。

 今日の写真はクラブの横のトランスポートカナダのオフィス前の旗です。 風が強かったのがわかるかと思います。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-07

ビクトリア478日目:ディスカバリーフライト。



 今日は本当は休みにしたかったのですが、朝9時半からディスカバリーフライトが入っていたので、それだけ飛びにいってきました。 

 ディスカバリーフライトというのは、言ってみれば遊覧飛行です。 飛行機の操縦に興味がある人がまず最初に体験する飛行のことをビクトリアフライングクラブでは「Discovery Flight」と呼んでいます。 

 今日はラングフォードという、ビクトリアのはずれの市でレストランを経営している人が従業員を引き連れてディスカバリーフライトにやってきました。 そのうち、僕は経営者のケンという人をつれてフライトに出かけました。
 
 天気は悪すぎることはなかったのですが、風が15ノットほど吹いていて、雲は2300ftほどのところにありました。 雨が南から流れ込んで来ているのも見れました。 ビクトリアを離陸して、本来は高度を2500ftまで上げたかったのですが、結局2000ftで水平飛行に移りました。 途中でケンさんに操縦を体験してもらいました。 ビクトリア上空に行く途中でタービュランスが酷いところがありましたが、さほど気にならなかったようです。 今回のフライトは従業員へのプレゼントもかねていたそうです。 本人も飛行機の操縦に興味があるということだったので、ウォークアラウンドを一緒にやったり、フライト後には訓練に関する情報を渡したりしました。 

 今日はセスナ172を飛ばしましたが、個人的には152のほうが好きです。 172はどうも日本人の胴長短足の体系にはあわないように思います(笑)。 なんだかなにかがすっきりしないのです。 なんでなんだろう・・・。

 フライトの後からようやく休日になりました。 今日は雨が降っていたので自転車に乗るのをあきらめ、ウォルマートに行ってアイロンとアイロン台を買いました。 その後、電気屋さんに行ってiPod Touchを見てきました(笑)。  今日、アップルはiPod Touchの32GBモデルを発表しました。 もう少しでタックスリターン(日本でいう年末調整のようなもの)の時期がきます。 飛行訓練で発生した訓練費などを申請するとお金がいくらか戻ってくるそうです。 なのでそれを利用してiPodを買おうかなんて企んでいますが、果たしてそんなにたくさんのお金が戻ってくるのか、カナダの税金の仕組みがいまいちよくわかりません。

 今日もビクトリアからの帰り道にFujiyaによってカリフォルニアロールを買いました。 おいしくいただきました。

 家に戻って来て仕事着のチノパンを洗濯し、乾燥機にかけたら見事に1サイズほど縮みました(涙)。 これからは乾燥機ではなく、陰干しにしようとこころに誓いました。 短くなったのを隠すために、これからますます腰履きになると思います(笑)。

 夕方にはグランドスクールのスライドの準備をしました。 教えるのは今回で2回目なのでだいぶ心に余裕があります。 生徒の数も少なく、10名程度だそうです。 クイズも用意したし、これで準備万端です。


 明日は朝にラインクルーの手伝いをし、10時からフライトが3本入っています。 天気がどうなるかわかりませんが、もしかしたらそのうちの何本かはキャンセルしないといけないかも知れません。

 今日の写真はウィングズバンケットの集合写真です。 ディスパッチのブライアンがこっそり撮っていた写真を送ってくれました。 僕がどこにいるか探してみてください。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-06

ビクトリア477日目:強風。



 今日は朝から風が強い一日で、大荒れの天気になりました。 一日中強風警報が発令されたままでした。 先ほど午後10時前になってようやく解除されました。 

 今日はフライトが3本入っていましたが、天気はよくないし、レッスンの内容的にも今日のようなコンディションでは有益な練習ができるとは思えなかったので、すべてのフライトをキャンセルしました。 今日はPIREP(Pilot Report)を見ると至る所でタービュランスやウィンドシェアの報告があったようでした。 B737やBeech1900といった飛行機がmoderate turbulence(中度のタービュランス)を報告してくるようでは、我々が172や152でどんなに頑張っても風に振り回されるだけです(笑)。 以前、ちょうど今日のような天気の日に教官証明のフライトテスト前の練習フライトしたことがあります。 ちょうどボーイング737がビクトリアに着陸する寸前に、「ウィンドシェアに遭った」とタワーに報告していたのを無線で聞きました。 それを聞いて数分後、僕もものすごいウィンドシェアに振り回されたことがあります。 エアスピードは保てないし、高度を保つのも困難。 なにより飛行機の姿勢を保つこともままならない状態になって、かなり焦りました(汗)。 その日は目的地を変え、ビクトリアのはずれの洋上で練習をしましたが、あまり集中できなかった覚えがあります。 CPLフライトテスト直前くらいの生徒ならまだしも、PPL取りたての生徒には今日の状態はあまりにも酷だったでしょう。 こういう日はおとなしくしておくに限ります!

 ということで、今日はできた時間を利用してグランドスクールで生徒達に取り組んでもらうクイズを完成させました。 過去にAir Lawを教えた教官が作った問題があったので、それを参考に(というか、殆ど真似)させてもらってつくりました。 CPLの筆記試験は問題の出し方が素直ではありません。 PPLの筆記試験は丸暗記で解けるものが殆どですが、CPLになると問題の出し方をひねって、受験者の本当の知識を問うような出題形式が多くなります。 今日は問題を作りながら、選択肢をなるべく似かよらせ、なるべく生徒達を迷わせるような感じにしました。 自分が答えるのではないので、こういうのはとても楽しい作業です(笑)。 

 今日、チーフと話をして、正式に毎週水曜日か木曜日を僕の休日にしてよいという許可をもらいました。 週末は一番忙しい時期なので休みは取れません。 その代わり、週の真ん中の水曜日、もしくは木曜日に休みを入れることにしましました。 教官の中には週2日休む人もいますが、ほとんどの教官は週1日休みのようです。 週2休む人は他の5日はフライトを5本こなしたりして忙しくしています。 僕ももっと忙しくなったら週休二日にするかも知れません。 とりあえずは様子見って感じです。

 明日はその水曜日。 本当は丸一日休みにするか、次の木曜を休みにするつもりだったのですが、明日は午前中に遊覧飛行(ディスカバリーフライト)が入っているし、明後日木曜日は午前中にまたラインクルーの手伝いをしなければいけないので、結局明日の午前のフライトが終わってから休むことにしました。 明日はアイロンを買いに行こうかと思っています。 天気がよかったら久しぶりに自転車に乗ってみようかとも思います。 今年になってまだ一度もサドルにまたがっていません・・・(反省)。

 今日の写真は、今日の悪天候の合間に見えた虹です。 

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-05

ビクトリア476日目:ベテランパイロット。



 今朝はラインクルーの真似事で朝7時から12時まで手伝いをしてきました。 12時からフライトに出かけ、さらにその後すぐにフライトに出かけたので、結局今日もお昼ご飯を食べる時間がありませんでした。 でも、4時過ぎから5時半くらいまでの間に小休憩が取れたので、その時間にお昼ご飯を食べました。 

 今日は雪がぱらつく天気で、朝7時の段階で気温はマイナス2度でした。 de-iceしないといけない飛行機が4機ほどあって、さらにメンテに入る飛行機があったり、メンテが終わった飛行機があったおかげで、飛行機を頻繁にハンガーに入れたり出したりしていました。 タイヤが付いているとはいえ、セスナ172で1トンほどの重さがあります。 そんな機体を小柄な僕が押したり引っ張ったりするのはなかなか体力が要ります。 しかもエプロンエリアは地面が完全に水平ではなく、ちょっと上り坂があったりするともう大変です(笑)。 今日はたくさん飛行機を押したり引っ張ったりしたせいで太ももの前の筋肉が疲れてしまいました。 最近自転車に乗っていないので、足の筋肉が落ちているように思います。 また乗らないと・・・。

 今日も3本フライトしました。 今日はローカルエリアにはいかず、ずっとサーキットをしていました。 天気があまりよくなく、雲が低かったのが主な理由です。 サーキットを飛んでいても雲がところどころに点在していて、避けながらフライトをつづけました。 1本目は日中のサーキット。 ファーストソロにもう少しで送り出す予定の生徒です。 無線通話やサーキットの飛び方がもうちょっと落ち着いて来たらソロに出せると思います。 3本目はナイトサーキット。 今日も暗闇の中を飛びましたが、やっぱり着陸が難しいようでうまくいきません。 着陸がちゃんとできるようにならないとこちらもソロには出せませんから、次は日中にサーキットをして、着陸がちゃんとできるようになるまで夜のフライトはお預けにしようかと思います。 

 今日の2本目のフライトは172Rのチェックライドだったのですが、今日の生徒さんはPilatus PC-12というタービン機を飛ばしている機長さんでした。 免許を見せてもらったら、取得可能な免許やレーティングはほぼすべて持っているという感じの方でした。 書類を見て、「もしかして自信満々で気が強くてクセのある人(ベテランパイロットに多いタイプ)じゃないかな〜」と不安に思っていたのですが、実際会ってみたらなんとも穏やかで親切そうな人で安心しました。 チーフが既に良く知っている方らしかったので、チェックライドとはいえ、サーキットを3回やっただけで終わりました。 腕前はもちろん完璧(笑)。 チェックリストなどもちゃんと注意深く確認しながらやっていたし、僕のいうことにも耳を傾けてくれていたし、なにより操縦の腕がよく、僕が指摘すべきことなど一切ありませんでした。 フライトの途中でピラタスの話やご家族の話をしてもらうことができました。 息子さんもPC-12の副機長をしているそうです。 今度ピラタスでビクトリアに来る予定があるらしく、そのときは飛行機の中を見せてくれるといっていました。 ATPLを持っている経験豊富なベテランパイロットでも夜の山岳地帯を飛ぶときは怖いと感じることがあるといいます。 我々が小型機で行っているようなタクシー中の計器チェックなども同じようにピラタスでもやっているそうです。 サイズは違っても、飛び方の基礎やパイロットの気持ちはやっぱり同じみたいです。

 明日はちょっと遅く11時からフライトが3本連続であります。 明日も頑張ろうと思います。 でも、恐怖警報が出ているので、フライトできないんじゃないかとちょっと心配しています。 先週もそうでしたが、数日飛べる日が続くと、すぐにまた飛べない日が入ってきます。 天気相手の商売なので仕方ないといえば仕方ないんですけどね。

 今日の写真は引き続きバンケットの写真です。 食事会が始まる前のカクテルパーティーです。 正直なところ、僕はこういう社交の場はあんまり得意ではありません。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-04

ビクトリア475日目:久しぶりのナイトフライト。



 まずは昨日撮った写真の1枚を紹介します。 一番右がマイク。 その隣が僕(あいにく目が半開きです・・・笑)。 そして真ん中がチーフフライトインストラクターのグラム。 その横がジェフ。 そして一番左がエミリーです。 これが2007年度にビクトリアフライングクラブで教官証明を取得した新任教官連中です。 マイクと僕は同じ時期に訓練を始めましたが、マイクは先に教官になりました。 ジェフは僕よりも後に始めましたが、僕がワークパーミットの発行を待っている間に訓練を進め、僕が日本から帰国する直前に教官になりました。 エミリーは夏の前に教官になったので、この中では一番教官歴が長い教官です(当然ながらグラムはのぞきます)。 皆フレンドリーで親切で、とてもいい仲間です。 昨日のバンケットの後で新任教官でグラムを囲んで撮った写真です。 とても良い思い出になりました。 今まではこのブログで僕自身をはじめ、人が写っている写真はあまり紹介してきませんでしたが、これからはそういうのも少しずつ出していこうかと思います。

 今日は午前10時からフライトでした。 今日もカナダ人の高校生のクリスと飛びました。 今日は天気がよかったのでビクトリア市の上空を飛び、上昇・下降の練習などを主にやりました。 午後からまた同じ生徒と飛びました。 今度はローカルウェストの海の上でフライトをしました。 午後も天気がよかったので気持ちよく飛ぶことができました。

 夕方からはインド人の生徒とナイトフライトにいきました。 僕自身、夜飛ぶのはかなり久しぶりでした。 最初に30分ほどのブリーフィングをして、暗くなるのを待って出かけました。 初めて暗闇の中で飛ぶと自分の位置がわからなかったり、着陸のタイミングがうまく取れなかったりするものです。 今日の生徒も自分の位置が全然わかっていなかったし、着陸も僕がアシストしなかったらそのまま滑走路に突っ込んでいたと思います(笑)。 でも、最初は皆そういう感じなはずです。 これからの成長に期待しています。 天気がよければまた明日ナイトフライトをする予定です。 

 最近よく、「んで、教官になってみてどう?」と聞かれます。 答えは簡単で、「楽しい・達成感がすごい」と毎回答えます。 1日に3本ほどのフライトを終えて帰路につくと、心理的にも体力的にも結構疲れています。 他のベテラン教官は1日に5本以上のフライトをこなします。 今の僕では3本が限界です。 それでも教えていて楽しいし、生徒が成長していくのがすぐにわかるのでものすごい達成感があります。 本当に教官になってよかったな〜と毎日思います。 その一方、自分でお金を払って飛ぶのと、お金を払ってもらって教官として飛ぶのとでは責任の重さが全く違います。 楽しい反面、生徒の命を預かって飛ぶということの責任の重さを毎日痛感しています。 

 明日は午前中はラインクルーの真似事をまたするように頼まれているので、朝7時からクラブに行きます。 そしてその後はフライトが3本あります。 明日も忙しい1日になりそうです。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-03

ビクトリア474日目:ウィングズバンケット。



 今日は午前中に2本フライトがあったのですが、天気があまり良くなかったので最初の1本目はキャンセルしました。 2本目はサーキットを飛ぶだけの60-day checkフライトだったので、サーキットを1時間弱やりました。 今日飛んだ生徒はナイトレーティングやCPLに興味があるということで、これから一緒に飛ぶことになりました。 フライトの後で教官のマイクから別の生徒を一人紹介され、彼もナイトレーティングを取りたいということで、彼ともこれから飛ぶことになりました。 遠い先の話ですが、ATPLというライセンスを取るための必須事項の一つにナイトPIC(機長時間)100時間というのがあります。 日が短い今のうちに夜間飛行をたくさんこなしておくと、将来的には僕のためにもなります。 なので、夜のフライトも頑張ろうと思います。

 午後からもフライトが1本あったのですが、天気が予報ほど良くないように見えたのでキャンセルしました。 ところが、家に戻って来てしばらくしたら青空が広がってきました(汗)。 トレーニングエリアはさほど良さそうではなかったし、今日飛ぶ予定だった生徒はまだ飛び始めたばかりで、天気をプッシュして(悪天候でも無理して)飛んで行く悪い習慣をつけさせたくはなかったので、キャンセルして正解だったかとは思いますが、それにしても天気を読むのは本当に難しいです。 今日はそのことを思い知らされました。

 夕方からはウィングズバンケットにいってきました。 ビクトリアフライングクラブでは毎年、1年の間にパイロットライセンスやレーティングを取得した生徒やメンバー達を讃えるイベントがあります。 それが今日のウィングズバンケットです。 結構な数の人々が招待され、セミフォーマルな感じの食事会がありました。 僕は今日、昨年CPLと教官証明を取得したので、それを証明する賞状を2枚もらいました。 一人ずつ名前が呼ばれ、担当教官から賞状が手渡され、がっちり握手をして写真をぱちりとやるのが習わしです。 今日は一緒に訓練を受けた仲間やお世話になった教官やオフィススタッフと写真を撮りました。 とても楽しい1日になりました。 今日の写真はそのバンケットでの食事の様子です。 ビュッフェスタイルでした。 おいしかったです。

 明日はフライト3本をこなす予定です。 明日の天気は今日よりはましになるようですが、果たしてどうなるのか。 天気予報とのにらめっこは続きます・・・。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-02-02

ビクトリア473日目:朝の電話。



 昨晩、日本にいる家族全員で海外旅行に行くという夢を見ました。 日本に戻るフライトに僕だけ遅れそうになって焦っているという夢でした。 飛行機には母と兄のお嫁さんだけが乗り込んで先に出発していて、兄が僕を待っていてくれました。 そこにはなぜか僕の高校時代の同級生たちも来ていて、一緒に海外でふざけあっているというなんとも奇妙な夢でした。 心理学的に分析したらなにか意味があるのかも知れません・・・。

 今朝は朝から2本電話がかかってきました。 それも、僕がまだ寝ている時間に(笑)。 1本目はR君。 「朝日を見に(飛びに)行きませんか?」という誘いだったのですが、今日は午前中に今日のフライト(仕事)のための準備をするつもりでいたので、行きたかったのは山々でしたがお断りしました。 それからまだ眠かったし、時間が少しだけあったのでもう一度寝ようと思ってベッドに入ったら、今度はクラブから電話が。 「10時からのフライトに行ってくれない?」という電話だったのですが、YESマンの僕が勇気を出してNOと言いました(笑)。 朝のリズムが狂うとどうも一日中リズムが狂ったままになってしまいそうだったので、心を鬼にして自分の予定通りに物事を進めることにしました。 本当は飛びに行きたかったんですけど。
 
 朝、携帯がなって起こされるというのはあまり好きではないので、これから朝の寝ている時間は携帯を切っておこうかななんて思います。 携帯の音の設定がでかすぎるんだと思いますが、朝、携帯がなるとびっくりして心臓がばくばくしてしまいます。

 今日はフライトを2本こなしました。 1本目はカナダ人の生徒。 今日は上昇と下降、そして旋回の練習をしました。 パワーのコントロールがかなり慎重なのはいいのですが、レスポンスが遅すぎるかなという気もします。 地上でのタクシーのときのコントロールもまだまだ不慣れなので、その辺りをまた練習してもらおうと思っています。 

 1本目のフライトから帰って来たところでちょうどバンクーバーのPro VFR/IFRからJaviatorさんがクロカンフライトで生徒さんと一緒にビクトリアにこられました。 今回も短い再会でしたが、お元気そうでなによりです。 また次回お会いしてお話できるのを楽しみにしています。

 2本目のフライトはインド人の学生。 今日はVORナビゲーションのやり方を教えました。 バンクーバーVORとビクトリアVORを使って現在位置を探したり、VORに向かって飛んで行ったりする初歩の練習です。 次回はVORインターセプトをやり、いよいよナイトフライトを始めようと思います。 もう少ししたらセスナ172を使ってGPSの簡単な使い方も教えようと思います。

 今夜はR君の送別会パーティーにお邪魔しました。 たくさん日本人のお友達が招待されていました。 皆さん若い方々ばかりで、おっさんの僕はなかなか馴染めませんでした(笑)。 R君の人脈には驚かされます。 僕にはない才能を持っていると思います。 明日はフライトが朝8時からあるので、宴もたけなわなところで失礼しました。 さよならをいおうと思ったのですが、ちょうど盛り上がりが頂点になっているところで主役のR君は忙しそうだったので、お礼も言わずに帰って来てしまいました。 R君、ごちそうさまでした。 また明日のバンケットで会いましょう。 ピックアップよろしくお願いします(電話します)。

 ということで、明日は朝からフライトが3本あり、夕方にはウィングズバンケットというクラブ主催のパーティーに出席します。 デジカメで写真をばんばん撮ろうかと思います。 チーフやマネージャー、お世話になった教官のMさんと写真を撮りたいと思っています。 なかなか人と写真を撮る機会はないので、こういうときに撮っておきたいものです。

 今日の写真はこの前ビクトリアに行ったときにFujiyaで買ったカリフォルニアロールです。 このボリュームで3ドルを切るのはお手頃だと思います。
 

 ではまた明日。 今夜は早く寝ます。


(つづく)

2008-02-01

ビクトリア472日目:121.9MHz。



 今日はフライトがない予定だったので、午前中にクラブに行って、明日以降のフライトのための勉強をしました。 これからすぐにナイトフライトをやる生徒が一人いるので、そのために必要な訓練の内容をリビューしました。 あと、訓練を始めたばかりの生徒の訓練の進め方や、次にやらなければいけない内容を確認しました。 ラウンジで勉強をしていたら、「もう教官の資格を取ったんだろ? まだ勉強するのか?」と冷やかされました。 まだまだ勉強しますよ〜〜! 勉強していないと不安になりますから(笑)。

 明日のフライトの準備もできたし、家に戻って昼ご飯を食べてグランドスクールの準備をしようと思ったら携帯がなりました。 電話の相手は同僚の教官マイク。 ラウンジから外を見ながら電話をしていたら、電話をかけているマイクがすぐ外にいました。 「今から生徒と飛びに行かなきゃいけないんだけど、次のフライトまでに戻れそうにないから、代わりに次のフライトを飛んで来てくれない?」と頼まれました。 もちろん答えはYESで、すぐにその生徒のPTRを見て、今までなにをしてきたかを確認しました。 ソロに出る直前のようで、サーキットの練習をしてほしいということでした。 フライトまでは1時間ほどあったので、家に戻ってサンドイッチを食べ、またクラブに戻りました。

 今日の生徒はケベックのフランス語圏から来た生徒でした。 英語を聞いているとフランス人の英語のように独特のアクセントがあります。 一番わかりやすい特徴は「H」の音を発音しないことでしょう。 「Holding short(ホールディングショート)」が「Olding short(ールディングショート)」となっていました。 面白いですね。 

 フライトの準備をし、簡単にブリーフィングをして飛行機に乗り込みました。 タクシー許可をもらうためにいつもならクリアランスデリバリーという周波数に無線で呼びかけますが、今日はクリアランスは閉じていたので、代わりにグランド(121.9MHz)にコールしました。 ところが、何度コールしても返答がありません。 「無線機の故障か?」と思い、とりあえずフライングクラブの周波数にコールして無線の聞こえ方チェックをお願いしました。 すると「ちゃんと聞こえるよ」という返事が。 ATISもちゃんと聞こえているし、おかしいな〜と思い、あえて閉じているクリアランスデリバリーにコールしてみました。 すると、「今グランドの周波数がブロックされているから、このままこの周波数で交信してください」と言われました。 管制官の話では、管制塔の下あたりで作業していた飛行機からの電波が121.9MHzを妨害しているようだということでした。 おかげで地上にいる飛行機はすべて停まったまま(移動許可がもらえないから)。 燃料トラックも停まったまま。 着陸してきたエアカナダジャズのCRJも誘導路で停まったままでした。 そのときタクシーで来ていたのは僕たちだけ(笑)。 おかげですいすいと楽にタクシーさせてもらいました。

 フライトそのものは上手に飛んでいました。 高度が上下したり、サーキットがきれいな長方形を描けていなかったりしましたが、どうしてそうなるかの理由がちゃんとわかったので、それを指摘したらかなりマシになりました。 今日は風が18ktと結構強めでしたが、風向は問題なかったのでちゃんとした訓練ができました。 この生徒は僕の教え方とは違う教え方を受けていたようで、タッチアンドゴーの際の手順がちょっと違っていました。 それは後から彼の担当教官と話をしてわかりました。 教官によって教え方が微妙に違うので、できれば一人の教官とずっと飛んだ方が効率は良いように思います。 いつもそういうわけにはいきませんけどね。

 今日の写真は昨日買った水筒(左)と今まで使っていたプラスチック製の水筒(右)です。 今日クラブに持って行ったら教官連中の注目の的になりました。 チーフが冗談で、「赤ちゃんの哺乳瓶みたいな飲み口にできたらかっこいいのになぁ〜!」と言っていましたが、実はこのボトルのメーカーはオプションのアクセサリーでそういうのを作っているみたいです(笑)。 

 明日はフライトが2本入っています。 明日も頑張るぞ〜。

 ではまた明日。


(つづく)