2017-05-03

マウイ島。

 僕は現在のところ、767の副操縦士の中で一番セニオリティが低く、リザーブという扱いになっています。 多くの航空会社では「ブロックホルダー」と「リザーブ」というパイロットのスケジュールポジションがあります。 「ブロックホルダー」のパイロットは当該月のスケジュールが予め決まっていて、いつ、どこに、誰と飛んでいくのかが前もってわかっています。 一方、「リザーブ」の場合は補欠人員的扱いになり、誰かが病欠したり、天候や飛行機の故障などの理由でフライトスケジュールが狂い、どうしてもパイロット追加で必要になった場合に呼び出しされるパイロットのことを指します。 今の会社では僕はリザーブです。 したがって、リザーブである日は決まっているのですが、いつ飛ぶのかは会社から電話がかかってくるまで分からないという感じです。 個人的にはリザーブは嫌いです(涙)。 電話がかかってきて仕事に呼び出される場合、最短で2時間以内に空港に到着できなければいけません。 したがって、リザーブの日には例え仕事をしていなくてもどこか遠くに遊びにいったりすることはできません。 以前やっていたメディバックの仕事とどことなく似ています。
 数日前、本来はお休みであるはずだった日の朝、クルースケジューラーから電話がかかってきました。 「今日の午後からマウイへのペアリングだけど、行く?」って聞かれ、「行く、行く」と二つ返事で仕事をすることにしました。 今はまだ引っ越しが完了しておらず、カルガリーから送った荷物も届いていないため、家にいても特にすることもないし、家財道具がないので生活がしにくい状態です。 仕事に行けばホテルに泊まれるし、余計な心配をすることもない。 さらにはなるべく今のうちに飛んでおかないと新しい飛行機の飛ばし方の勘が鈍ってしまいます。 しかも行き先はハワイのマウイ島! いくしかないでしょ?って感じでいってきました。

 このペアリング、ちょっと不思議な感じで、まずは1日目にトロントからバンクーバーまでのデッドヘッド(移動)。 そしてバンクーバーからマウイ島までまたもやデッドヘッドです。 そしてマウイ島で24時間のレイオーバーがあり、それからやっとマウイ島からカルガリーまでのフライトを担当するという感じのペアリングでした。

 機長も一緒にトロントからデッドヘッドで、彼とはトロントのフライトプランニングルームで落ち合いました。 彼は超カジュアルな普段着で登場(笑)。 一方、僕はばっちりユニフォームでした。 結局、バンクーバーで税関を通過した後に普段着に着替えましたので、バンクーバーからマウイまでのフライトではビールを飲んで、iPadで映画を観て超リラックスムード。 楽チンな仕事だなぁ〜と思っている間に約6時間でマウイに到着。 初めてのハワイです。

 着いたのは午後9時過ぎ。 外は土砂降り。 僕の同僚が数日前までマウイに来ていたのですが、彼がいた時は快晴で、サーフィンなんかを楽しんでいた写真を送り付けてきていたのですが、僕の時は土砂降り。 ついていません。

 それでも次の日には雨はおおかた止み、外に走りに行ったり、ホテル周辺を散歩したりできました。 ホテルも通常泊まるホテルは満室で、空港近郊のホテルに泊まることになりました(ダブルパンチ)。

 雰囲気を写真でどうぞ。

 (写真上:ホテルから見えた火山)

 (写真上:野生の鶏?がたくさん闊歩していました)

 (写真上:咲いている花や生えている木々がやはり南国的)

 (写真上:ハイビスカス?とヤシの木)

 (写真上:アップルバナナという名前のバナナ。 酸っぱいバナナでした(笑))

 24時間の滞在のあと、午後10時頃にマウイ空港を出発。 空港周辺には雷雲もあったり、気流が安定していないところもありましたが、概ね良好なフライトコンディションでした。 初めてのマウイでしたが、特に戸惑うこともなく、快適なフライトを楽しみ、約6時間後にカルガリーに着陸しました。 その後、カルガリーで一泊し、今日朝一番のフライトでトロントまで戻ってきました。

 イギリスに渡るときの大西洋横断に比べ、太平洋横断は手順が楽です。 大西洋横断は交通量が多く、そのためもあってか特別な手順がいくつかあります。 一方、太平洋横断はカナダ国内を飛んでいるのとさほど違いはありません。 僕は太平洋のほうが好きです(笑)。



(つづく)

 

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